私は、昔、ホームベーカリーを持っていました。
そう高いものではなくて、9,000円くらいの手頃なもの。

それでも、材料を計って入れて、スタートボタンを押すと
全自動で数時間後には、何とも言えない幸せな香りが
部屋中に漂いました。

そして、出来たてのパンは、高級ホテルで食べるよりも
格段に美味しかったです。

そんなホームベーカリーを、なぜ手放してしまったのか・・
それは、我が家が、基本、米が主食であるということ。

1斤のパンを焼いても、なかなか減らないのです。
そうこうしているうちに、ふんわりパンは、ドンドン固くなってしまいます。
(我が家の主食がパンだったら、毎日でも焼いても良かったのですが・・)

そして、私が持っていたホームベーカリーは、
意外とデカかったのです。
炊飯器で例えると、1升炊きくらいの大きさでした。

正直、場所をとって邪魔くさい。
そう感じるようになりました。

そして、材料を計って入れる。
使い終わったら、綺麗に洗う。
この作業が面倒と感じるようになりました。

それならば、たまに食べたくなるパンを
スーパーの脇にあるパン屋さんで、
食べたい時に、食べたい分だけ買えばいいじゃないか。
(そのパン屋さんは、食パン1斤170円くらい)

ホームベーカリーを使いこなす素敵な奥さんに
憧れたけれど、「やめる」という選択をしても良いんじゃないのかな。

そう思い始めて、強力粉を全部使いきったタイミングで、
思い切って手放すことに決めました。

結果、ホームベーカリーが占領していた場所に
空間が生まれて、パンを焼かなければいけないという
使命感のようなものから解放されて、気持ちがラクになりました。

ホームベーカリーが悪いんじゃなくて、それを使いこなせていない自分を
認めたくなくて、モノを手放すことが出来ず、
使命感のような感情を手放すことも出来ず、
前に進むことができなかった私。

でも、そんな自分も認めてあげて、
思い切って前に進んでみる。

そこには、案外、自由で身軽で
気持ちがラクになった自分が喜んでいたりするものです。

狭い視野で、がんじがらめになった状態から
広い視野で、眺めてみると、新しい世界が見えるかもしれません。

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