私は、23歳の時に、2級建築士の資格を取得しました。
この時の勉強方法は、1冊の問題集をひたすら暗記。

少々、意味が分からなくても、
「そういうものなのだ。つべこべ言わず覚えてしまえ」作戦で
資格専門学校などには通わず、独学で合格しました。

これは、色んな意味で、
私の成功体験の一つとして
刻み込まれています。

私は、建築士として、これからやっていくんだ。
ハッキリ言って、意地と根性で、もぎ取ったという感じでした。

その後、転職にも成功して、
次は、必然的に「1級建築士の取得」
これが、次の目標になりました。

1級建築士は、2級建築士より
遥かにレベルの高い試験になります。

そこで、私は、資格専門学校に通い始めました。
約半年の間、夜間授業・休日授業に加え、
仕事が終わって帰宅後、また勉強。

高い授業料をローンで払っているんだし、
絶対に合格しないといけないんだ。

大して楽しくもない勉強だけど、
自分にムチを打ちながら頑張りました。

そして、試験の当日。
私は、あらんかぎりの力を振り絞ったのですが、
4科目中、1科目の点数が足りず、
不合格となりました。

私は、その日の夜、姉に電話をかけ
「試験ダメだった」

その言葉を口にした途端、
私は、ボロボロと涙が溢れてきてしまいました。

「私、頑張ったんだ」

姉は、また来年がんばれば良いじゃないと言いましたが、
私の中で、何かが冷めていく。
そんな感じがしたのです。

建築士の勉強は、ハッキリ言ってワクワクなんかしない。
「見栄」と「やらなければならない」という感情だけ。

やはり、その感情だけでは、
正直、限界がある。

見栄や体裁(ていさい)だけで、
それをやっている自分の心が伴っていないと、
どこかでボロが出る。

でもね、それが本当に、自分がやりたいこと、
それをやっていると、時間が、物凄く短く感じられること、
やっているとワクワクすることだと、
気持ちが、自分をドンドン引っ張っていってくれる。

それが最近よく分かるようになってきました。

だから、最近の私は、何かを始めようとするとき、
私は、本当に、それがしたいの?
見栄や体裁(ていさい)のために
やりたいと思っていることじゃないかな?

そう、自分に質問するようにしています。

だってね、本当に自分がやりたいと思っていることじゃないと、
続かないし、楽しくないし、何より結果がよろしくない。

「自分の心にウソをつかない」
それが人生を良くしていく方法なんだと、私は思います。