そんなにあったら 分からなくなるんじゃないかしら。

少ないもので生活

先日の記事、

今を懸命に生きる女性たちを描いた映画「さいはてにて」やさしい香りと待ちながら

続きの話なのですが、もう一本DVDを借りておりまして・・

そのDVDは、繕い裁つ人

<あらすじ>

あなただけの〈特別な〉一着、仕立てます。

神戸の街を見下ろす坂の上に、その店はあった。

店主の南市江が仕立てる服は、いつも人気。

すべて昔ながらの職人スタイルを貫く手作りの一点ものだ。

神戸のデパートに勤める藤井は、市江にブランド化の話を持ち掛けるが、

まるで“頑固じじい”のような彼女は、全く興味を示さない。

市江の手がけるのは、祖母で一代目が作った服の仕立直しとサイズ直し、

あとは先代のデザインを流用した新作を少しだけ。

「世界で1着だけの、一生もの」

それが市江の繕い裁つ服が愛される、潔くも清い理由だった。

「そんなにあったら 分からなくなるんじゃないかしら」

これは、服のブランド化を勧める営業マンが、

沢山の服の本を買い込んだ際、主演の中谷美紀から言われたセリフです。

正直、このセリフには、私もドキンとしました。

今は、情報化社会で、沢山の情報に溢れています。

それに、大量生産、大量消費の時代で、

服も、どんどん入れ替わっていきます。

溢れんばかりの情報とモノに覆い尽くされている。

そう感じずにはいられない時があります。

映画の中でも、それがハッキリ、

そして色濃く描いていると感じました。

そして、古い良いモノは、いつまでも大切に

仕立て直しながら、着続けられる素晴らしさ。

それとは別の流れで、新しい良いモノを

つくりだす素晴らしさ。

そして、良いモノは、愛着をもって

大切に長く使い続けることが出来ます。

私は、世の中には、自分と同じ人はいないのだから、

この映画の服のように、「自分」と「モノ」を大切にしたい。

でも、あまりにも「モノ」が多いと、

よく分からなくなってしまうから、

極力少なくして、手元に残った「モノ」に愛着を持って過ごしたい。

そんな人生って、素敵だなと思います。