「お世話になります!」
ハキが良い、元気な声で設計事務所に入ってきた女性。
年の頃は、30歳前後といったところ。
その女性は、作業着姿で、ネクタイを締めています。
そう、男性がスーツを着た時に締める、あのネクタイです。
「話には聞いていたけど、本当にネクタイ締めてる・・」
私は、そう思いました。
(決して、変な人ではなくて、しっかり仕事が出来る方です)
彼女は、私が勤める設計事務所が、設計した現場の
現場監督員をしています。
現場監督員の仕事は、設計者や受注者(お客様)と
現場で働いている作業員の間に入って、指示などを出したり
まとめたりする、重要な役割があります。
世の中は、女性に、もっと活躍して欲しい
女性投入を!そう言った流れです。
確かに、その流れがあるのは実感します。
でも、現実、建設業界など、男性社会で
女性が、一人前として渡り歩くのには、
それ相当の覚悟が必要です。
打ち合わせをする、設計者。
現場で働いている作業員。
それは、ほぼの確率で男性なのです。
「なめられちゃいけない」
その覚悟が、このネクタイに込められている。
そう思わずには、いられませんでした。