私は、ずっと生きにくさを感じていました。
大きな不幸があるわけじゃない。
でも、なぜかいつも緊張していて、心のどこかで警報器が鳴っているような感覚がありました。
人と会ったあと、家に帰ると、どっと疲れが出る。
頭の中がザワザワして、静かにならない。
楽しかったはずなのに、なぜか安心できない。
当時の私は、それを
「人付き合いってこういうもの」
「私が弱いだけ」
そうやって片付けていました。
でも、ある時ふと思ったんです。
これ、ずっと鳴りっぱなしじゃない?って。
家にいると、警報器は鳴りません。
一人で過ごしていると、体がゆるみます。
一人で買い物に行くくらいなら、ちょうどいい。
つまり私は、
全部がダメなわけじゃなかった。
条件が合えば、ちゃんと大丈夫だったんです。
それに気づいたとき、
「生きにくい」の正体が少し見えてきました。
私は、
警報器が鳴りやすい体質なだけで、
壊れていたわけじゃなかった。
むしろ、感度が良すぎただけ。
人の感情、場の空気、期待、役割。
そういうものを、無意識にたくさん拾ってしまう。
だから外にいると、ずっと緊張していたんだと思います。
それなら、答えはシンプルでした。
警報器が鳴らない環境を選ぶ。
警報器が鳴らないことを、できるだけやる。
人が少ない場所。
急かされない時間。
自分のペースでいられること。
説明しなくていい関係。
これを「逃げ」だと思っていた頃もありました。
でも今は、はっきり分かります。
これは逃げじゃない。
自分を守るための選択です。
警報器が鳴らない時間が増えると、
心が静かになります。
考えすぎなくなります。
「本当はどうしたいか」が、少しずつ分かってきます。
無理な人間関係を、無理だと感じられる。
合わない環境から、そっと離れられる。
それは、冷たくなることでも、わがままでもありません。
やっと、自分の感覚を信じ始めただけなんです。
もし今、
生きにくいな、と感じている人がいたら。
無理に強くならなくていい。
警報器を消そうとしなくていい。
鳴らない場所を、選べばいい。
鳴らない生き方を、少しずつ増やせばいい。
それだけで、人生の音量は下がります。
静かで、やさしい世界は、ちゃんとあります。
私は、そこへ向かって歩いています。
ゆっくりでも、大丈夫です。


