先日、母から電話がありました。
話の内容としては、本当に他愛もない内容で、
叔父が私の本のことを地方新聞のコラムに応募したら
掲載されて、それを読んだ母の友人から
その話を聞いたといった内容でした。
■目次
▶最後に
■ところで「何で奨学金を借りたんだっけ?」
その話の中で、私が奨学金を借りるに至った経緯を
母は、すっかり忘れているようで、
私は、奨学金を小遣いのために借りたと
今まで思っていたというのです。
私が何百万円ものお金を借りるに至ったのは、
母が「奨学金を借りないと学費が払えない」と言ったからでしょ。
だから、半年ごとに、お金を渡していたじゃない。
そう説明したら、
「そうだったかな。ごめん、ごめん」
でも、それをハピコは全額返済したんだねー
偉いねー。そんなことを言っていました。
■あまりの衝撃で言葉にならなかった
もうね、もうじき70歳になる母に対して
あまりの衝撃で言葉にもなりませんでした。
20代の新卒の人間にとって、
何百万円というお金は大金で、
「辛いなー。キツイなー」という感情で過ごした
あの時間は、母にとっては
本当に大した問題ではなかったんだなと感じました。
■もう怒る気持ちにもならない
正直、その話を聞きながら、
あの辛かった日々は何だったのだろうと
電話を持つ手が若干震えなかったと言えば嘘になります。
でも、私は、あの辛い日々を乗り越えて
全額返済してしまった今、
「もう、そんなことは、どうでもいいや」と思えて
怒る気持ちにすらなりませんでした。
■人の記憶なんて曖昧なものだ
私は、母に「奨学金を借りないといけない」と言われたのは、
今でも鮮明に覚えています。
私は、それまで学費は全額両親が
払ってくれるものだとばかり思っていたので、
そう言われた時の衝撃は凄まじかったからです。
でも、母にしてみれば、
支払いの中の一つに過ぎなかったわけです。
■最後に
「お金がなければ奨学金を借りればいい」
私は、このフレーズは、
あまりにも軽薄過ぎると思っています。
大学を卒業すれば、良い会社に入れるだろうというのは、
あまりにも安直すぎるし、高卒で既に働いている子との
4年間の間を埋めるのは、そう簡単な話ではありません。
高卒の子は、働いて毎月十数万円のお金を稼いでいるのに対して、
大学に通うとなると、高卒の子が1ヶ月で稼ぐくらいの金額を
支払わなければいけないのです。
その差が30万円だとすると、
30万円×12ヶ月×4年=1,440万円
22歳の時点で、これだけの差があるのです。
この金額は、人によっては
すぐに取り戻せるという優秀な人もいますが、
私にとっては、とても大き過ぎる金額だったなと感じます。
人には向き不向きがあって、
何が幸せなのかは、親が決めるのではなく
その子供が決めることなのです。
だから、家計の事情を事前に子供に伝えておくことは、
本当に大切なことだと私は思います。
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